遺産トラブルと相続財産額の関係
1000万円以下 33%、
5000万円以下 43%と5000万円以下が全体の76%を占めます。
(裁判所の司法統計2018年度のデータより)
相続対策は今すぐやりなさい!
敢えて強く言わせて頂きます。他人事ではないのです。
多くの方が困ったり、揉めたり、苦労させられていますが恥ずかしくてお話されません。
問題は隠れています!家族のために真剣に考えてみませんか?
相続対策は自分には関係がない、真剣に考えたことがない、そんな方が大多数です。
でも上のグラフのとおり、争族問題化するのは遺産総額が5000万円以下が4分の3以上を占めています。
財産が少ないからトラブルにならないと考えるのはデータから明らかなように間違いです。財産を公平に分ける事が出来ない、または相続人間で公平感のある遺産分割が出来なかったために争族問題と化す傾向があります。だから、遺族が納得できる相続対策が必要なのです。
兄弟姉妹の仲が良いから、自分が死んでも遺産を巡ってトラブルなんかおこらない、と考えている方は多いかと思います。
でもその考えには、大事な視点が抜け落ちています。
それは、今しか見ていないということ。
影響力のあったあなたの死後、人間関係は必ず変化します。
現状と同じと考えるのは誤りなのです。
さらにもう一つ、仲の良かった兄弟姉妹でも家庭をもって子供の学費にお金がかかる等の経済的な問題や、他の人の意見が入って考えが変わることもあるのです。
あなたの死後、家族の関係は必ず変わることを認識して下さい。
遺言書を作っておいて、遺族に遺産の分割方法やあなたの思いを伝えることは、公平感のある相続に有効な方法です。
何をだれに残すのか、その理由、そこにあるあなたの思いと心。
熟慮の末遺言書に残されたあなたの言葉に遺族が納得できないということは少ないのではないでしょうか。
ただここで重要なことがあります。
有効な形式を備え、遺留分に配慮した内容で作成しておかないとトラブルを招く可能性が残るという事です。
遺言書の種類は一般的な以下の3種類があり、それぞれに長所と短所があります。
あなたの思いを明確にするには重要なことばかり。付記事項で想いを伝えることも可能です。
あなたの思いを伝える遺言書、作成を専門家の視点で当社がサポートします。
安心価格でまごころサポート!
ご相談の内容やご家族の状況、クライアント様での準備状況、財産目録の作成作業量など状況は皆さま異なります。
ただ遺言書を作るだけなら型にはめた料金設定可能ですが、それでは心のあるご対応が出来ません。
一律の料金設定ではないことをご理解下さい。
作成サポート・ご相談料:一般的なケースの例
自筆証書遺言 | 2万円~ |
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公正証書遺言 | 4万円~ |
財産目録作成 | 1万円~10万円 |
相続税の基礎控除額とは、相続税の総額を計算する場合に課税価格の合計額から差し引く控除で、相続税の課税最低限です。遺産に係る基礎控除額以下であれば相続税はかかりません。
平成27年1月1日以降 | 3,000万円+(600万円×法定相続人の数) |
---|---|
平成26年12月31日以前 | 5,000万円+(600万円×法定相続人の数) |
平成27年の法改正により相続税の基礎控除額が引き下げられ、課税対象になる方が大幅に増えていることがわかります。 安易に考えていると、相続人に思わぬ負担を強いることになりかねません。
法定相続人数 | 遺産にかかる基礎控除 | 改正前の基礎控除 |
---|---|---|
1人 | 3,600万円 | 6,000万円 |
2人 | 4,200万円 | 7,000万円 |
3人 | 4,800万円 | 8,000万円 |
4人 | 5,400万円 | 9,000万円 |
5人 | 6,000万円 | 1億円 |
家と土地に資産価値があって、現金が少ない。こんな時に遺産分割を公平に行うことが難しくなります。2020年4月から配偶者居住権の規定が制定され、ご夫婦の一方が住み慣れた家に引き続いて住むことには配慮されることとなりましたが、二次相続(両親が二人とも亡くなった際)に分割が難しくなる点は変わりません。 公平に分けることが難しく、争族問題と化してしまう典型的なケースです。
家を売却して現金化、法定相続割合に従い相続人で分割するというのが公平に分ける方法として考えられます、しかし良い条件で短期間に家や土地を売却することは難しく、買い叩かれて損をするケースが後を絶ちません。そこで提案させて頂く方法があります。
生命保険を活用して、公平感のある遺産分割を実現することが出来ます。
被相続人の死亡時の保険金受取人を家を相続しない他の相続人に指定、公平感のある相続が実現できます。
弊社代表は保険の知識も豊富、安心してお任せ下さい。
生命保険に加入
受取人を相続人に指定
死亡時に保険金受取
公平感がある遺産分割
贈与税の控除枠110万円を活用して、相続税対策を行う。
相続税課税時に現金が用意できるように生命保険を活用するなどのプランもご用意しています。弊社のコンサルティングにお任せください。
(相続税に関する個別のご相談に関しては、提携税理士をご紹介いたします。)
こんなケースでポイントになる民法の定めは、法定相続権、遺留分、廃除。
ご自分の相続について検討する際にはケースバイケースで細密な情報と慎重な判断が必要です。
必ずご相談下さい。
民法で定められている相続の順位と範囲、相続割合を見てゆきましょう。
被相続人との関係 | 相続の順位と範囲 |
---|---|
配偶者 | 常に相続人になる(民法890条) |
子 | 第1順位(民法887条) |
直系尊属 | 第2順位(民法889条) |
兄弟姉妹 | 第3順位(民法889条) |
配偶者は常に相続人となります。(戸籍上の届出がなされていることが必要。)
相続人が・・ | 現在の規定(S56 1/1から) | 改正前(S22 5/3~S55 12/31) |
---|---|---|
子と 配偶者の場合 |
配偶者1/2 子(全員で)1/2 | 配偶者1/3 子(全員で)2/3 |
父母と 配偶者の場合 |
配偶者2/3 父母(全員で)1/3 | 配偶者1/2 父母(全員で)1/2 |
兄弟姉妹と 配偶者の場合 |
配偶者3/4 兄弟姉妹(全員で)1/4 | 配偶者2/3 兄弟姉妹(全員で)1/3 |
相続発生の時、被相続人の子が先に死亡している場合でも、孫がいるときにはその孫が子に代わって相続人となります。(代襲相続)
また、相続発生時の規定が適用される点にも注意が必要です。
依頼人の甲さんが被相続人となり、その相続人はA,B,Cの三人です。この場合の法定相続割合はシンプルに3分の1づつとなります。そこで、Bさんには相続させたくないという甲さんの意思に従って遺言書を作る事が出来るのか?という事になります。
遺言書や遺産分割協議によって異なる割合で分割することも可能です。
法定相続割合とは異なるA,Bさんに2分の1、Bさんにはゼロとする遺言書を作成しても違法というわけではなく、遺言は法的に有効となります。
但しこの場合には、以下に説明する遺留分について留意しておく必要があります。
遺留分とは、民法1028条で定められている一定の範囲の法定相続人に認められる、最低限の遺産取得分のことです。
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一
前述のようなBさんの相続分をゼロとする遺言書を作成し、その内容に全員が納得してくれればその遺言書は有効です。 でも、遺留分を侵害された法定相続人Bさんは、従ってくれるでしょうか? 今回のケースでは法定相続分の2分の1ですので、全体の6分の1がBさんの遺留分となります。
Bさんは、遺言書の内容が遺留分を侵害しているとして、他の相続人や遺産をもらった方に対して侵害された分を請求することが出来ます。これが遺留分減殺請求権です。
遺留分減殺請求権の消滅時効は
後のトラブルを防ぐという観点で、Bさんには最小限の相続をさせて遺留分を犯さない内容で遺言書を作成し、遺留分減殺請求されないようにしておくのが一つの方法です。
でも、どうしてもBさんに相続させたくない!そんなとき、廃除制度があります。
廃除制度とは相続人と推定相続人に相続的協同関係破壊の可能性がある場合(廃除事由)に、そのことを理由に、被相続人の意思によって、遺留分を有する推定相続人の相続権を奪う制度です。
推定相続人であるBさんに廃除事由があれば、Bさんを廃除して、完全にその相続権を奪う事が出来ます。
遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
民法の条文ではこのように記載されており、虐待や侮辱、非行にあたる行があれば廃除が認められるという事です。 抽象的に言えば、家族間の共同生活を破壊する程度、当該親子が養親子なら離縁、夫婦ならば離婚を宣告されるであろうと考えられるか否かが基準となると解されています。 これだけではわかりにくいですね。いくつか例を挙げておきましょう。
仙台高決昭32 | 子が経済的には困窮していないにもかかわらず、高齢で病気の母に生活費などを渡さず劣悪な環境の小屋に住まわせていた。 その上、「首を吊って死んでしまえ」といった暴言を吐き、暴力も振るっていたため相続廃除が認められた。 |
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和歌山家審昭56 | 子が勤務先で多額の横領を働き窃盗や詐欺などの前科のある同棲相手と逃避行を続けており、音信不通となっているため、相続廃除が認められた。 |
福島家裁平成19 | 子は、妻子とともに高齢で障害者の母と同居していたが、母の介護を妻に押しつけて家出し、居場所も知らせないまま子どもの養育費も母の生活費も支払わず、父から相続した田畑も無断売却したため裁判所は「著しい非行」による廃除を認めた。 |
大阪高決昭37 | 子の度重なる暴言や暴力を理由に相続廃除が行われたが、その原因が幼少期に里子に出され、成人してからも不当な扱いを受けたことにあったと相続廃除が認められなかった。 |
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東京高決昭和59 | 5億円を横領した子に対し父は相続廃除の申立てを行ったが、横領した当時の状況、父の経済状況、体面などを合わせて考慮すると相続廃除する事由にはならないと認められなかった。 |
名古屋高裁昭和61 | 暴行を働いた子に対し父が相続廃除の申し立てを行ったが、その遠因は、父が母の生存中から愛人を囲い、母の死後、一周忌にもならないうちに、周囲に理解を求める誠意・努力もないまま反対を押し切って愛人と再婚するという自己中心的な態度にあったとして相続廃除が認められなかった。 |
例を見て頂ければわかるように、単に親の言うことを聞かない、気に食わないなどの理由だけでは認められないことをご承知下さい。 また裁判所は、遺留分を侵害することになる相続廃除について家庭裁判所は慎重に審議を行っています。
条件に該当するという事でしたら、家庭裁判所に申立てを行います。
①の遺言により相続廃除をする場合には、遺言執行人が手続きを行うことになりますので、必ず遺言執行人を選出しなければなりません。遺言書の内容で遺言執行人を決めておきましょう。
任意後見制度は本人が判断能力を有している間に、将来自分の判断能力が不十分になったときの後見事務(支援してもらうこと)の内容と後見する人(支援してくれる人・任意後見人)を、自ら事前の契約によって決めておく制度です。 契約の締結に必要な判断能力を有していないと任意後見契約を結ぶことは出来ません。 つまり、判断能力が衰えたり、痴呆症が出てしまうと自分で後見人を選べなくなってしまうのです。
差異の内容 | 任意後見 | 法定後見 |
---|---|---|
後見人選任者 | 自分で予め決めておく | 家庭裁判所の選任による |
後見事務の内容 | 契約で自由に決められる | 症状に応じ裁判所が決定。 後見・保佐・補助の3種 |
後見開始の時期 | 本人の判断能力が衰えてから | 家庭裁判所に申立て、決定直後 |
事前の本人の意思反映 | 比較的容易にできる | 本人の意思反映は難しい |
両者の違いを表で簡単に表記することは難しいのですが、任意後見制度の方が本人が考えていた「こんなことで後見人に助けてもらいたい」という意思を反映することができます。 (一身専属的な権利(たとえば、結婚、離婚、養子縁組など)については任意後見契約に盛り込むことはできません。) 自由度が大きい反面、
任意後見契約を締結する時点では、判断能力に問題ない方のみが利用できます。
医師の診断などで少しでも問題があれば活用できませんので、元気なうちに契約しておく必要があります。
信頼できる人(家族、友人、専門家)と任意後見契約を締結
公証人役場で公正証書を作成します
少し認知症の症状がでてきた・・・家庭裁判所に申し立て
任意後見人が任意後見契約で定められた仕事(財産の管理など)を開始
家庭裁判所が選任した任意後見監督人が任意後見人の仕事をチェック
任意後見制度での家庭裁判所の関与は、本人があらかじめ選任しておいた任意後見人を家庭裁判所が選任した任意後見監督人を通じて監督するにとどまります。